愛猫のヒゲがポロっと抜けているのを見つけて、不安になったことはありませんか?
実は猫のヒゲが抜けるのは自然な現象であることも多いですが、場合によってはストレスや病気のサインであることもあります。
この記事では「猫ヒゲ抜ける」という気になる現象について、考えられる原因や見分け方、対処法をわかりやすく解説します。
- 猫のヒゲが自然に抜ける理由とその頻度
- ストレスや病気が原因で抜けるケースの見分け方
- ヒゲが抜けたときの正しい対応とNG行為
目次
猫のヒゲが抜けるのは自然なこと?

猫のヒゲが床に落ちているのを見て「病気かな?」と不安になる飼い主さんは少なくありません。
しかし、猫のヒゲには「自然に抜ける周期」があり、必ずしも異常というわけではないのです。
この章では、猫のヒゲが抜ける仕組みや正常な抜け方の目安について解説します。
ヒゲも毛と同じく生え替わる
猫のヒゲは毛と同様に生え替わるサイクルがあり、定期的に自然に抜けるものです。
多くの場合、半年に1回程度のペースで1〜2本ずつ抜け、新しいヒゲが同時に生えてきます。
特に若い猫は成長期のため、ヒゲの入れ替わりが早い傾向があります。
このため、床や布団などでヒゲを見つけても、数本程度であれば健康上の問題はありません。
どれくらい抜けたら異常なの?目安を解説
毎日のように何本も抜け落ちていたり、左右でヒゲの本数に大きな偏りがある場合は、注意が必要です。
そのような場合、ストレスや皮膚疾患、外傷などの外的・内的な要因が関与していることがあります。
猫のヒゲは「健康状態のバロメーター」とも言われており、普段の様子とあわせて抜け方を観察することが大切です。
猫の顔まわりのヒゲがやけに少なく見えたり、細くなっていると感じた場合も、抜けすぎの可能性があります。
ヒゲが切れている・折れている場合
ヒゲが抜けたのではなく、途中で折れていたり切れていたりする場合もあります。
このような状態は、猫同士の喧嘩や、家具などに顔をこすりつけた時などにも起こります。
横になっているだけでヒゲが折れてしまうこともあり、そのくらい猫のヒゲは繊細なのです。
ただし、頻繁に折れる、切れる状態が続く場合は、ストレスや栄養不足、免疫の低下も疑われます。
猫ヒゲが抜けすぎる時に考えられる原因

ヒゲが自然に数本抜ける程度なら心配ありませんが、明らかに本数が多い、左右差が激しい、切れたり折れたりしている場合は注意が必要です。
猫のヒゲが過剰に抜けるときには、いくつかの具体的な原因が考えられます。
ここでは、ストレス、病気、外的要因という3つの主要なリスク要素に分けて解説します。
ストレスによる脱毛
猫は非常に繊細な動物で、環境の変化や人間関係の影響を強く受けます。
引っ越し、模様替え、新しい家族やペットの登場など、思いがけないことが大きなストレス源になるのです。
これにより免疫力が低下し、円形脱毛症のような症状でヒゲが抜けることもあります。
飼い主の結婚・出産・旅行といったイベントすら、猫にとっては重大な生活の変化です。
皮膚病や感染症の可能性
ヒゲの周囲にかゆみ・フケ・ただれがある場合は、皮膚病や感染症の疑いがあります。
特に問題になりやすいのが「ニキビダニ症」です。
この病気は常在菌であるニキビダニが免疫低下時に異常繁殖し、脱毛・皮膚炎・赤みなどを引き起こします。
また、猫エイズや白血病、腎不全などの基礎疾患が隠れている場合もあり、免疫力が低下しているサインとしてヒゲが抜けることがあります。
喧嘩や外傷など外的な要因
屋外に出る猫や多頭飼育の環境では、他の猫との接触でヒゲが物理的に抜けたり、切れたりすることがあります。
特に顔まわりのヒゲは感覚器として突出しているため、ダメージを受けやすい部位です。
また、家具の隙間に顔を突っ込んだり、横に寝そべった拍子に折れてしまうこともあります。
子猫の場合は、母猫のグルーミング時に無意識にヒゲを舐め取ってしまうことも報告されています。
このように「外的な接触」もまた、ヒゲ脱落の一因となり得るため、行動パターンや飼育環境をよく観察することが重要です。
ヒゲが抜けたときの正しい対処法

猫のヒゲが抜けているのを見つけたとき、慌てて動物病院に行くべきなのか、様子を見てよいのか迷うことがあります。
実は、ヒゲが抜ける状況に応じて適切な対処法は異なります。
この章では、自然なヒゲの生え替わりと、病気やストレスによる異常脱毛のケース別に、飼い主がとるべき行動を解説します。
自然脱毛の場合の対応と経過観察
抜けたヒゲが1〜2本程度で、猫の体調や行動に異常がない場合は、まず心配いりません。
このような場合は「生え替わりのサイン」と考えてよいでしょう。
顔まわりに新しいヒゲが生えてきているか確認し、左右バランスが極端に崩れていないかを観察するのがポイントです。
また、抜けたヒゲは厄除けや金運アップのお守りとして保管する人もいます。
専用の保管ケースや桐箱などに入れることで、縁起物として楽しむ習慣もあります。
異常が見られるときは早めに動物病院へ
大量のヒゲが短期間で抜けている、ヒゲが細く弱々しい、折れてばかりいるなどの場合は注意が必要です。
同時にフケ・かゆみ・ただれ・元気の低下が見られる場合は、早急に動物病院を受診しましょう。
特に、皮膚炎や感染症、ニキビダニ症、猫エイズ、免疫疾患の可能性もあります。
受診時には「いつからどのくらいの頻度でヒゲが抜けているか」「食欲・元気の有無」「最近の生活環境の変化」なども伝えると、診断の助けになります。
早期発見・早期対応が猫の健康を守るカギです。
「なんとなく変だな」と感じたら、迷わず獣医師に相談するのがベストです。
猫のヒゲを故意に抜くのは絶対NG

猫のヒゲはただの毛ではなく、重要な感覚器官です。
おしゃれや清潔さを理由に、ヒゲをカットしたり抜いたりする行為は、猫にとって非常に大きなストレスと混乱を引き起こします。
ここでは、なぜ猫のヒゲを絶対にいじってはいけないのか、その理由を科学的に解説します。
ヒゲは猫の大切な感覚器官
猫のヒゲは「触毛(しょくもう)」と呼ばれる特別な毛で、わずかな空気の流れや物の距離、振動まで感知することができます。
狭い場所を通るときや、暗闇を歩くとき、獲物を捉えるときにもヒゲが重要な役割を果たしています。
ヒゲの根元には神経が集中しており、単なる「飾り毛」ではないのです。
切ったり抜いたりするとどうなる?
ヒゲを切った猫は方向感覚を失ったり、物にぶつかりやすくなったりすることがあります。
極度の不安やストレスを感じ、活動量が減ったり、性格が変わるケースも報告されています。
また、ヒゲを抜く行為は皮膚への直接的なダメージにもなり、炎症や感染の原因にもなりかねません。
特に小さな子どもが遊びでヒゲを引っ張ってしまうなどの行動には、大人がしっかり注意する必要があります。
猫のヒゲは自然に抜けるときだけで十分。人間の手で無理に関与してはいけません。
猫ヒゲ抜ける現象についてのまとめ
猫のヒゲが抜けているのを見て驚いたり、心配になるのは当然のことです。
しかし、そのほとんどは自然な生え替わりであり、過剰に不安になる必要はありません。
一方で、異常な抜け方には注意が必要です。
自然脱毛と異常脱毛の見分けが大切
自然なヒゲの抜け方は「数本ずつ・周期的に・他の異常がない」という特徴があります。
一方で、大量に抜ける、折れている、皮膚や行動に異変がある場合は、病気やストレスのサインかもしれません。
ヒゲが抜ける頻度や様子、併発する症状をしっかり観察し、必要に応じて動物病院を受診しましょう。
健康チェックとストレス対策を忘れずに
猫のヒゲは健康と生活環境のバロメーターでもあります。
日頃から愛猫の体調・行動・食欲などを注意深く見守り、ストレスの少ない安心できる環境を整えてあげることが大切です。
ヒゲを無理に抜いたり切ったりするのは、絶対に避けましょう。
猫のヒゲが自然に抜けたときは「成長の証」として前向きに受け止めて、愛猫との暮らしをより豊かにしていきましょう。
- 猫のヒゲは自然に抜けることがある
- 半年に1度ほどの周期で数本抜けるのが一般的
- 抜けすぎや左右のバランス異常は要注意
- ストレスや皮膚病、感染症が原因になる場合も
- ニキビダニ症や猫エイズなどの疾患が関係することも
- 自然脱毛なら経過観察でOK
- 異常があれば早めに獣医師に相談
- ヒゲは感覚器なので絶対に切ったり抜いたりしない
- 抜けたヒゲはお守りとして保管する人も